るもの、会ではひとが、中央に私を坐らせる、そういうようなもの、種々が影響しているわけです。
昨今感じられているこの沈潜性が、あぶなげのない実力として身に具るのは、これからの勉強次第ということは実にわかります。日々の勉強、自分への切りこみ、自分を益※[#二の字点、1−2−22]広く高いもののうちに同化さすこと、その日々が、実力となってゆくのでしょう。だから今私は、毎日そちらへゆくこと、勉強すること、それしか考えていません。私たちということは、私たちの生活の初めから何千度か云われているが、その実質がやや真に迫ってつかまれて来たのは、これも近頃という感じがして、私はここにも新しくおどろきをもって感じ直しているものがあります。ずっと、自分がしゃんと生活し、仕事してゆくこと、それが私たちの生活の証であると考え、そのことは元より誤っていないが、現実の場合では、私[#「私」に傍点]と二重やきつけとなっていたし、五のものを七に力んでいたところもある。これは責任感のことについてふれた、ああいう心理と共通なものをも含んでいると思われます。
こういうような心持、これまでこういう形では見ていませんでしたね
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