生じたらしいそうです。いろいろのことがある。
○私はそちらへ通いながらでも、仕事をしてゆくことが出来る自信がつきました。事務的なこともちゃんと整理しておけば心配もないし、そちらに行って待つ間落付いた気持で、頭の中にあるつづきを考えていられるようになりました。これは大変にうれしい。それに、自惚《うぬぼ》れですみませんが、ユリは御飯だと、自分を考えているのですこの頃。どんなものだって自分の御亭主に御飯たべさせもしないで仕事にかかる女はいないでしょう? ね。だから、先ず一日のはじまりに御飯もって行って、ちゃんとたべさせて、自分もたべて、さて、それからととりかかる次第です。この御飯という考えは、その欠くべからざる性質においても私のようにおなかすかしには適切だし、なかなか生活的だと思います。しかも、私にあっては、よく仕事すればするほど、質のいい御飯がいるのですから、猶好都合です。
そちらに通う時間について考えていて下すってありがとう。大体三十分―四十分です片道。家から上り屋敷まで歩き(二丁)そこから池袋まで電車。それからバス。バスからそこの四角の二辺をぐるりと歩く。八時二十分ぐらいに出て、そ
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