けて。お約束の十日までの計温を。
  二月一日――十日。
   起床    計温  消燈
一日 七時半   六°[#「六°」は縦中横]  十時
二日 七・一五  六・三 十時半
三日 八(目をさましてから三十分ぐらい)六・一  十一時十五分位
四日 七・二五  六   九・三〇
五日 八(〃 ) 五・九 十時四十分
六日 七時十分  五・八 九・四〇
七日 八(〃 ) 六(これは夜十一時会からかえって)十一時
八日 八     六強  十時
九日 八     五・九 十時四十分
十日 七時二十分 五・九 十時五十分
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◎こうやって手帖を出して写すと、一つの希望を生じます。いつかは、これを書かないでもいいという位になりたい、と。
[#ここで字下げ終わり]
 二月十三日午後三時
 今、おひささんがお客様のための皿小鉢を洗っています。私は指図をしておいて一寸二階へ上って来たところ。さっきシャツのボタンをつけ小包にこしらえながら、もうすこしで声を出して笑いそうな気持でした。今もそう。きょうは、あの万年筆を見て頂こうと思うのが一杯でそのほかいろんな云う筈だった文句を一つも云
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