轤ェないばかりではないのです。冬になって、私は紺ずくめになってしまいますから、少しは色彩を、と思って。気がついていらしたかしら。いらっしゃらなかったでしょう? 赤いのや黄色いのがこしらえてあるの。あれは自分で縫えるから。段々お目にかけます。
 ひさが上って来る、何だろう、雨戸をしめに来た。光子さんが来て、私は心ひそかに計画をめぐらして居ります。こんどはこの二階からもとの家の二階の見える(屋根だけ)南の景色を描いて貰いたいと。茶の間で、あの足でしめる茶ダンス(覚えていらっしゃるかしら、あなたの芸当)のわきにいるところも描いて欲しいけれども。私は未来派のことやいろいろ彼女のためになるお話をしてやるのだから、又エハガキ一つ位描いたっていいでしょう、そう思っているのです。この我々の家を四方からかいて、並べるとマア凡そわかる、そういうお年玉をあげとうございます。自分の住んでいる家の見とり図なら描いてもさしつかえないのでしょう?
[#図5、家の見取り図。西北西が上。上部に「砂利の小道」。その下に縦長方形の敷地、小道に面して「桧葉の生垣」、「門」は右端、残り三方は「竹垣」。庭右側に上から「花の咲かぬ
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