オた。夜飯後、これも全く珍しく、つよいアクセントの言葉をきいて、愉快だった。
 咲は、盛に喋り、はねくりまわる太郎をテーブルの前から見ていて、小父ちゃんに一目ここが見せて上げたいと云いました。大分甘ったれたところ見せたのですってね。私は、でもそれでいいよいいよと賛成しました。だって、そういう憚《はばか》るところのない感情の表現、その身ぶりなんか、やっぱり目と心にいい気持ですものね。たまには。太郎にのみ許されたる独壇場だもの。
 いろんな話が出て、十時すぎて、バスがあぶないから車で送って貰ってかえりました。(家のに非ず。国はそういう点全く尻重ですから。かえったらもう出ない)。
 フランスへは一ヵ月百円のところ、特別の許可でそれより多く送っている由。この頃は、かためて送れず、毎月ですって。こちらの分は全然別口にすれば送れます。あっちの送金にこめることはその点で不可能の由。複雑に社会が動いているから、あっちでもいろいろの心持でしょう。巴里で金持と女子供は皆避難したときは大分特別な経験もしたらしい様子です。
 咲のこと、本当に御存じないのねえ。あの人には兄が一人、これが後とり。姉春江、これは河
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