ノ島田を立って。
明日は、お迎に行って、一寸休んで、淀橋へ行って、時間と疲れがくり合わされれば、午後にでもそちらへ行けたら、と思って居ります。今ごろ、むし暑い汽車の中で、くたびれて、心配して、行く先が不案内で、恐らく汗と涙とごっちゃに、大してきれいでもないハンカチで拭きながら岡山あたりを揺られていらっしゃる様子が目に浮びます。東京見物は冨美ちゃんが卒業祝に、と云ったりしていたのに、計らずものことですね。
マア、ことが一落着したらすこし息を入れていらっしゃればようございます。Tさん、妙テケレンなプラチナの指環はめてるのを私が目につけ、あんなのはくさいと小母さんに申したのは本年の五月でした。とり合わずにいらしったっけが。
きのう話していて、女の生活って本当に大変なものね。息子や亭主のことでみんな苦労して、と私が云ったとき、あなたも笑っていらしたけれど、ちらりと、あら、勘ちがいをしていらっしゃるという感じがしました。その笑いの中に。私は苦労という言葉で表現されるようなものは、細君として受けて居りませんし、苦労が苦労としか結実しないような苦労もしていません。私たちの生活とはきりはなして云
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