スとよろこび、私たち二つの顔を見たらいかにも嬉しそうでしたが、瘠《や》せて、弱って、ひどい。八貫位の由です。夏じゅう九度から八度の間を行っていたところへ、(発熱)この間の大嵐のとき屋根が吹きとばされて、煤水がダーダー流れ出したので階下へおりようとしたら、梯子がその水で滑って、頂上から下へ落ちた。「そのまま喀血《かっけつ》でもして死んだら余りにみじめだと思って心配しましたが、いい工合におさまって」とおっ母さんが話されました。二週間近くも大家さんの二階にいたのですって。家から食事をもってゆき、便の始末をしながら。さぞ、どちらも大変であったでしょう。今は朝九時ごろ悪寒がして発熱する由。家の中の様子、病人の顔つき、こちらも息がつまるようで、苦しく、苦しかった。療養所のおそろしい話を、黙っていられない、という風に話されました。「どんな病院よりおっ母さんのそばがいいから、ここへおいて貰います」いろいろな感情があるらしいのです。「こんなにおっかさんてありがたいものだとは知らなかった。きょうだいと云ったって、手拭一つしぼってくれませんからね。」
 病気はこわい。いやだ。しんから病気はしまいと思います。
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