闔рフ固執(正当化)が作用して居り、それは、何かしぶとさに感じられます。愚昧さから来る頑固ではなくてね。骨節のつよいという言葉にすぐ置きかえては、やはり自惚《うぬぼ》れになると自覚されるようなものです。
 私がそういうシンを知ったのは、大したことです。私はつよい人間は好きであるが、しぶといの等は大きらいですから。自分の内にそんな大きらいのものの破片を見るだけ眼を据えられたということは、これからのために並々ならぬ収穫です。しぶとさは人間の発育の蕊《ずい》を止めるものでありますから。ガリリ、ガリリとそのしぶとさを健全に愛の手で粉砕される、そのような噛みくだきを受け得るということ、それはこの世の中でまれにめぐり合えるよろこびであると思う。万一、そういうつよいいい歯とその歯が根気よく噛んで呉れる互の結び合いとがなかったら、私は或は金かもしれないが、あっちこっちに多くの無駄なもの、堅いものをもったままで終ったでしょう。そして、それは金であるとは云えない。遂に、金なるべくして成りとげなかったものというだけです。
 どういう事情からにしろ、糸の切れたタコの状態があって、それが客観的に賞讚されないもの
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