ことですから気をつければ大丈夫です。御飯ばかりたべるから用心にオリザニンものんで居りますし。お風呂をたく匂いがする。さあ行ってやって来よう、では又ね

 六月三十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 山口県島田より(封書)〕

 六月二十七日  第三十三信
 昨夜野原の小母さんがおそく広島から戻って島田の方へ泊られたので、多賀ちゃんは夜番にあっちへかえりました。昨夕からきょうおひるもお母さんと二人で台所をやっています。(夕方には多賀ちゃんがかえる)二人で喋りながら、あの台所で洗いものをしたりお鍋を洗ったり雑巾がけをしたりしている。今午後一時。店へ誰か来ている。私は勉強しに二階へ。この机(低い四角い赤っぽい木の)はあなたが野原の小父さんにお貰いになったのですってね。随分私の役にも立って居ります。
 お母さんは私がずっといたので大変よかったとおよろこびです。妻の心持としてのお母さんの気持の通じるのは今のところ私一人ですものね。そして、それこそお母さんとして一番切実なものであるわけですから。お二人は結局深く結びついた御夫婦であったと思います。お父さんは実にお母さんを愛していらした。カンシャクはどんなに起
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