生らしい気持でいても、客観的にそうでなくて、安部のおじいさんみたいに、今日は、ハイ(とアパートの戸をあけるや否や)ポカポカ。グー、ではこれも困りますからね。格式とかそのほか下らぬものはもとより問題の外だが、そういう方面の格もあってね。滑稽ならぬ滑稽が生じます。なかなかおいそれとゆきません。御賢察下さい。考慮中です。いずれにせよこの夏じゅうは今の家をかわりません。こちらでこれだけ暮し、又急にあれこれしては、余り仕事が中断されていやですから。
 この頃の文学は本質の発展がとまって、心理的な身躱《みかわ》しがすこし動きのように見えているという有様です。作家の生活の生長が全般に問題にならぬような状態におかれている。
 よく暮したいと思います。熱心に、人間としての確信をもって生きる生きかたをしたいと思います。そのためには、本当に下らない日常の居場所(心と身との)その他についてさえ益※[#二の字点、1−2−22]敏感と健康な清潔さが必要です。それの可能な条件を少しずつでもより多くと生きてゆくことが中心的な努力であるようです。
 お体を本当にお大事に。お願い申します。私はすこし盲腸があやしいが微かな
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