ることにしました。夕方は下へ来て私の仕事の風呂タキをやります。それから夜は皆と喋る。そういう習慣にします。そしてゆっくり居ります。今はスノウをよんでいる。やりかけの仕事をおいて来たから。こっちでこれをよみ終るつもりです。四六一頁あるから丁度よい。ゆうべみんなで話していたとき貴方の小さかったときの話がしきりに出ました。貴方が小さくて、何かじぶくって泣くとお母さんが、もうやめいなと云うと、虫が泣かすんじゃああーんと泣いたという話、こういう伝説を御存知ですか? お祖母様が御秘蔵で、おおええええ顕治が泣くんじゃない虫が泣かすんだ、のうと仰云るのを覚えていて云ったのですって。私たちのように可愛がられて育った子供たちは、皆それぞれ伝説がありますね。私はあなたの赤坊のときの写真や小学生のときの写真や松山へ行っていたときの写真や、松山へはじめて行くとき着て行った絣《かすり》の着物まで知って居りますよ。絣のその着物は、今お母さんが召していらっしゃる。そして産衣《うぶぎ》の黄色いちりめんの袖まで見ている、いかがです? 私の赤いふりそでの産衣を見せて上げられないのは残念です。
 下で隆ちゃんが体の動かせない
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