国際無産婦人デーに際して
――作家同盟各支部に婦人委員会をつくれ――
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)杭《くい》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)男の働きて[#「働きて」に傍点]の失業のため、
−−
去年の秋、日本プロレタリア作家同盟はその中央常任委員会に属する一つの文学的活動機能として婦人委員会を設けた。
元来プロレタリア文学の中に特別な婦人のプロレタリア文学などというものはない。それは明かなことだ。搾取に対して闘うプロレタリア・農民として男・女の全生活が、階級的芸術の表現をとおして、われらのプロレタリア文学の中に生かされ反映されるべきものだ。
これまで果してプロレタリア作家たちは、数少い婦人作家をもこめて、十分労働者・農民及び勤労婦人大衆の日常的な、こまかい、だが本気な闘争の経験を、細大洩さず作品の中に活かして来ているだろうか?
資本主義経済の行きづまりは、工場閉鎖・首きり・賃下げ・三百余万の失業と農村恐慌とでプロレタリア・農民の生活をせっぱつまったところまで追い込んでいる。
せつない暮しの中にあ
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