って一層せつないのはプロレタリア・農民の婦人大衆だ。
工場で男と比べれば三分の一ばかりの殺人的賃銀、十三時間にも亙る労働強化と最悪の条件で男よりひどく搾られるばかりではない。窮迫した農村や失業者の家庭の中で、婦人の負うている重荷は云い尽せぬ。
而も、ブルジョア・地主は処女会や御用雑誌その他のあらゆる反動文化機関を総動員して、婦人大衆の文化を昔ながらの奴隷的な低さで止めておこうと狡い計略をめぐらしている。
何ぞというと「何だ! 女の癖に生意気な!」とやっつけ、封建的な屈従を強い、二重の搾取をつづけようとするのだ。
プロレタリア・農民の階級闘争の激化は現実の必要から婦人大衆をも目ざませた。男の働きて[#「働きて」に傍点]の失業のため、婦人は最悪の労働条件と闘いながら企業へ参加している。そこで婦人たちも、めきめき自身の階級としての力、団結の威力を学びとっている。手拭を姉さんかぶりにした若い農婦が、マンノーをとって争議に参加するばかりでない。女工さんの自主的なストライキが勇敢に闘われるばかりではない。今や、プロレタリアート・農民の婦人は出産の床の中に、八百屋で買う一本の葱の中にまで、自
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