つの階級的な婦人雑誌『働く婦人』の編輯には、他の文化団体からの参加とともに作家同盟に属す婦人作家たちが重大な役割を果しつつある。文学座談会、文学講習会、文学サークル等の活動で、婦人委員会は作家同盟の各専門部門と緊密に結びつき、すべての機会を掴んで、組織的にプロレタリア文学活動へ職場の婦人大衆を導き出すための努力をやっている。
 去る十二月の作家同盟拡大中央委員会では、二万五千の読者をもつ『文学新聞』に婦人欄を設けることが決定された。
 誰でも知る通り『文学新聞』は、サークルをつくってゆくための手がかりとして役立つ大切な組織者だ。『プロレタリア文学』を読まぬ人々も『文学新聞』はよむ。『文学新聞』の婦人読者を組織し、更に婦人読者を獲得し、通信員・サークル員をつくって行く上にも『文学新聞』の婦人欄は特別意義あるものとして現れるわけなのだ。
 ところで、この拡大中央委員会を契機として、作家同盟は、婦人委員会の活動について一つの大きい欠点を発見した。拡大中央委員会に向ってなされた各地方支部の文学的組織活動の報告中に、各地方の婦人大衆に対する対策が全然とりあげられていなかったという事実だ。
 日本
前へ 次へ
全12ページ中5ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング