動員されなければならないことになったとする。プロレタリア作家は彼の武器と、鉛筆と手帳とをもって、防衛に立つであろう。
 彼等は勇敢に行動するだろう。彼等は勇敢に記録するだろう。しかし、果して彼等は赤軍の編成についてどれだけの知識をもっているだろうか。どの程度の階級的な軍事知識があるか。同時に、軍事的行動の間に要求される広汎で敏捷な文化活動の任務をテキパキ処理して行く程ふだんから赤軍の兵士たちの生活に親しく接しているかどうかという問題になると、現在のところ否と答えざるを得ない。
 ソヴェトのプロレタリア作家達は反ソヴェト・カンパニアというモメントから、ボルシェヴィキらしく、階級的発展に役立つものをとりあげた。ゴーリキー。デミヤン・ベードヌイ。セラフィモーヴィッチ。ファジェーエフ。バトラーク。プリボイ。グラトコフ。イズバフ。ベズィメンスキーなどとバルチック艦隊文学研究会員、赤軍機関誌編輯者、赤軍劇場管理者などが集り、赤色陸海軍文学協会《ロカフ》中央評議会を結成した。一九三〇年初秋のことである。
 ロカフ中央評議会の決議は左のようなものであった。
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