目覚ましく行っているとはいえなかった。
 日に日に育ってゆく、プロレタリア・農民の現実生活からはなれたパプツチキの作品が無批判にもてはやされたり、卑俗小説がはびこり得るのは、とりも直さずプロレタリア作家の技術が一般的に未熟で、大衆を捕える力に欠けている証拠ではないか。
 また、その「形式探究の方法」に於て、何かの誤謬がなかったであろうか? プロレタリア作家が、本をつみ重ねた机の前にだけ坐りこんで、新らしい形式[#「形式」に傍点]を見つけ出そうと頭を抱えているということは、果して真の新しい形式を発見する方法であろうか。
 大衆の中へ! 大衆に近く!
 ロシア・プロレタリア作家連盟は、プロレタリア・リアリズムの旗を高くかかげて無風帯の中から立ち上った。
 プロレタリア作家は、新たな関心で大衆に近づき、そこから階級的なわかり易い文章を書く技術を習得しなければならない。
 プロレタリア作家は、今まで充分党に近くあったであろうか?
 プロレタリア作家は、階級の心理をもっと把握せよ! 類型から脱け出して人間を描け!
 ソヴェト同盟の革命的労働者は、一九一七年以来、プロレタリアートの生産技術を向上さ
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