でしっとりとした砂まじりの地面は、兵が進行し始めると数多の重い足調の下で、サック、サックとなった。
 遠い地平線の虹は消えた。碧い空が透明な日光に耀いて、動く人間の濃い影が入り混った。
 前後して、ツラン軍も高地を降って戦線についた。スーラーブは、整列するまで昨日と同じ騎馬でいたが、羯鼓が鳴り出すと、馬を降りて徒歩立ちになった。彼は、今日こそ、心を引締めてこの勝負に片をつける決心でいた。それには、昨日の経験で、徒歩の方が自分に強味のあることを考えたのであった。
 キラキラ、兜のはちを輝かせ、スーラーブが歩き出すのを見ると、ルスタムは、一種の激しい衝動がこみあげるのを感じた。
「忘れていた昨日の恥辱を思い知れといいたげに、あの若者は、自分の方を見るではないか!」
 ルスタムは、手綱をばらりと落し、ひらりと馬を降りた。彼は、誰かの手で出された鉾を引掴んだ。そして、性急らしく戦列を離れた。太鼓がイラン側から、立て続けに鳴った。ツラン方は、主将の勝利を確信しているらしく、間々に鬨の声をあげては、悠揚力を籠めた羯鼓を打込んだ。
 ルスタムは、近づいてスーラーブの顔を見ると思わず鉾を握りしめた。若
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