しめる政党が政策を実現できる。どんなに立派な政策をもっている政党でも議員が少数では、何も実現しない。彼女がアメリカにいたとき行われた選挙で、ある一人の学者が中立で立候補し、その人格と政策は多くの人の信頼をあつめていたが、彼女の周囲のアメリカ人はその人に投票しなかった。何故かときいたらば、議会内での少数では無意味という根拠から、民主党か共和党かへ投票する、という答えだった。夫人の結論は、民主的政治の実際というものはこういうものだから、日本の婦人はよく自覚して、議会で多数を占める可能性のある政党の候補者に投票すべきであるというのだった。
かたわらできいていて、わたしの心におさえがたい思いがわいた。果して婦人民主クラブは大きいだろうか。婦人民主クラブというところにあつまる婦人たちの民主的な自覚が大きいと云えるだろうか。既成の大きい[#「大きい」に傍点]力・多数の力ということを強調するならば、小さい婦人民主クラブが存在する意義はないし、わたしたち一人一人のうちにある小さな善意、小さい誠実の社会的な価値とその機能は期待されない。子供が小さいから、よく実利を発揮しないからと云って育てない親がある
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