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「人の足元を見ないでいい商売は出来ませんやね。
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と云った。そしてとうとう桐は五十円で落されてしまった。
 紫の雲の様に咲く花ももう見られないと達は、その木の下で、姉と飯事をした幼い思い出にひたって居た。
 政が帰ってからも栄蔵は非常に興奮して耳元で鼓動がするのを感じて居た。
 お節を前に置いて栄蔵は、政を罵って居るうちにフトお節の懐に何か手紙の入って居るのを見つけた。
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「何んやお前の懐に入っとる手紙は、
 早うお見せ。
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 お節は、ハッとして懐を両手でしっかり押えた。
 そして震える声で、
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「貴方お見なはらずといい手紙なんやからな、
 達によませて事柄だけきかせまっさかい。
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と云ったけれ共、栄蔵はきかなかった。
 どうしても見せろと云ってきかないのでお節は仕様事なしに封を切って、始めから、栄蔵の方へ向けて繰りひろげて行った。
 お金のところから来た手紙はこれまで一つもあまさず皆、針箱の引出しの中に入れて見せなかったのにこればかりは、政が
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