来て居たのにまぎれて懐になど入れて置いて……
取りかえしのつかない事をして仕舞った。
お節は、半切れの紙に、色の変って行く栄蔵の顔を見て目をあいて居られなかった。
しまいまで読み終るといきなり破れる様な声で、
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馬鹿!
馬鹿野郎、
人が病気で居ればいい玩具や思うて勝手な事云うてさいなみ居る。
出したけりゃ早う、夫婦共に出すがええ、
人でなし。
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と云った。
お節は涙をボロボロこぼしながら、
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マアマアそう云わんで。
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と云ったけれ共、そんな事は何にもならず、息を弾ませて、ハアハア云いながら、床の上にバターン、バターンと手や足を投げつけては、大声で早口に、ふだんの栄蔵にはさかさになっても出来そうにない悪口を突いた。手を押えてしずまらせ様とした達は、拳で顎をぶたれて痛さに涙を一杯ためながら、あばれるにつれて身をかわしながら手を押えて居た。
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ウウウウ
ハアハア
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胸はひどく波打って居た。
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覚えとれ、鬼め
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