「達」は四日目の朝戻って来た。
あちらに勤める様になってからまだ一度もつづけて暇をもらった事がないので快く許してもらえた事を話し肩に掛けて来たカバンの中から肉のかんづめやら西瓜糖やらを出し、果物のかなり大きい籠まで持って来た。
お節は一言云っては涙をこぼして居た。
隣りで、「達」の声を始めて聞いた時栄蔵は、顔に血がのぼるほど一種異様な感じに満ちた。非常な喜びが心の中をはね廻りながらその陰には、口に云われない不快な感じがあった。
その不思議な感情を押えるために達が入って来た時栄蔵は、額をしわだらけにして目を瞑《つぶ》って居た。
父親が眠って居るのかと思ってそうっとまた出て行こうとする達を、
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「達か、
戻ったんか。
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と呼びとめた。
思いがけなかったので、達は少しあわてながら又元に戻って、
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「只今。
どんななんですか、
おっかさんに手紙をもらったのでびっくりして来ました。
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と云って父のげっそりとして急に年とって見える顔をのぞいた。
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「ほんにそうなんか、
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