はやりきれないと云う様に、どうしてこいだけ借りたのだと根掘り葉掘り問いただした。
裁判官にきかれる様な気持になりながら栄蔵は、急に入用になった事業上の金と、東京に月に二度ずつ出て居るうちに出来た下らない引っ張りの女の始末をつけるために借りた事を云って仕舞った。
そんな訳なので、息子の云い出さないうちは此方《こっち》からその事を云い出すのも何と云う事はなしてれ気味なので、余計ずるずるになるばかりであった。
四五度足労をして、もう隠居に話しても仕様がないと思った栄蔵は、若主人に、細かくいろいろの事を話して、東京の川窪から智恵をつけられた通り、川窪自身が非常に差し迫った入用があって居る様に話した。
若主人は、山岸家と書いた厚い帳簿――それもこの人が新らしく始めたのを繰りながら、
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「いいや何、何ですよ、
貴方が今御話しなすった様な事情があったにしろ又なかったにしろ、川窪さんにあれだけのものを御返しするのは義務なんですから、
必ず何とかします。
何しろ、義務がある以上は当然の事なんですからなあ。
[#ここで字下げ終わり]
いやに老練な法律家の口振りを真似た
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