はたで、
「得意にやっちょる!」
とはやしたてると、云われた子はまっかなかおしてやめる。
 世の中にも、
「得意にやっちょーるー」
とはやされそうな人は沢山居るにちがいない。

     第三日

 ダンテの像に黄色いきれで頬かぶりをさせたのと、百姓おやじに同じことをしたのと同じ位似合うのには一寸びっくりした。

 可愛がらなければならないはずのものが可愛くなくって、可愛がらなくってもいいものが可愛くてたまらないと云うことは、だれにでもある人情だと見える。

 黒毛の猫とあんまりやせた犬とはねらわれて居るようで、かべのくずれたのはいもりを、毛深い人は雲助を思い、まのぬけて大きい人を見ると東山の馬鹿むこを、そぐわないけばけばしいなりの人を見ると浅草の活動のかんばんを思い出す。

 用いふるした金ペンと小さい鉛筆をためるのと、髪の毛の数を想像し、草の生えて居るところを四角に切って元禄にとって行くのは馬鹿げたことでたのしみなことである。

 ひまっつぶしにはくもとにらめっこをするのがいい、いつまでたってもあきることがない。人形になる、天狗になる、蛇になる、天馬になる、スヒンクスになる、宮殿に
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