多くすんで居る。それを知って居るんでおせんこくさい香がするように感じるのかも知れない。
 もとよりこんなことは人それぞれの感じでちがって居るから、あたって居るかどうだかわからないけれども。
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 人が町によって色があると云うけれども私にははっきりこれがわからないけれども。
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 浅草が豚の油でといた紅のような気のするのと、
 染井の墓地に行くまでの通りの、孔雀石をといてぬった青のような気がするのと、
 京橋のわきの岸が刺青のような色をして居るようなことだけは感じて居る。
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 フランネルで作った犬の腰のぬけて、めだまのぬけたのは妙に可愛いもんで、首人形の髪の手がらの紅の少しあせたのと、奇麗なかおの少し黄がかったようなのはなつかしい古い錦をなでて居るような心持になる。

 新らしい本のかどかどをなでまわすのと、新らしい雑誌の紙をきるのとはたまらなく、新らしい着物のしつけをとるよりうれしい。

 この頃子供達、内ばかりの……の間に、「得意にやっちょる」と云うことばが流行《はや》って居る。
 兄弟が何かずにのってやって居ると
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