説が書けなくなった。作家同盟なんぞへ入って、柄にもない部署につかされ、追い立てられているから、才能をついにドブにすてた」と。だが、自分をそれらの言葉で苦しめ、傷けることは全く不可能であった。なぜならば、ブルジョア・インテリゲンチア作家としての発展の必然としてプロレタリア文学運動に参加した自分は、すでに質において真の作家としての発展の可能性をとらえた。また、過去のすべての文化的蓄積を最も革命的に利用し得るよう自身を鍛え洗われたものとし、世界観の隅々までをプロレタリアに組織するためには、先ず、文化啓蒙活動をとおしてあらゆる機会に勤労大衆と接触しその一員となることこそ、正しい第一歩であることは明らかであるからである。
ここに、一本のステッキがある。ブルジョア作家はそれについて何を実感するであろうか。そのステッキの外見の瀟洒さ。流行。キッドの手套。キャデラック。又は半ズボンと共に郊外の散歩。あるいは忽然として、自分のわきに細い眉毛を描いて立つ洋装の女を思い出すかもしれない。自分は、今ステッキを見てそのような種類のことは思えない。何ともいえぬ肉体的憎悪をもってそれを見る。直接な敵を感じる。野蛮
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