ノ的な分子が多少ともあるんじゃないか

 女房――結婚しないだっていいと思うんだ、イカモノとイカモノでね
 A、そして Yの言葉とがめなどちょいちょいしてうるさし
 Y、赧くなりかんしゃくを起し
「いいじゃないか うるさい」怒る。
 何か※[#「Y+Y」、497−1]とAとの間に、一種恋愛的雰囲気みたいなものあって、AはそのためにYをじゃまにし YはそのためAをじゃまにす ※[#「Y+Y」、497−2]をめぐる感情。何かにつれて※[#「Y+Y」、497−2]Aと話して居ると、Yがひとり椅子によって居てこちらを見て居る意識になやまされ、ふと顔を見ると、Y、とても怒ったような苦しいような切迫した表情なので、はっとし、苦しく座に堪えず。立って出る。あとこっちできいて居ると、YとA話して居るのでやっと安心。
 ※[#「Y+Y」、497−6]にA好意をもって居るなり ※[#「Y+Y」、497−6]もそれを知ってわるい心地でない
 Aかえったあと、Y「あんな奴もう絶交してやろうか」などいう。
 ※[#「Y+Y」、497−8]変に居心地わるく苦しい心持になって それから数日陰鬱になる。
 何となし

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