つけたのまで。

     べこべこ三味線

 お座つき香に迷う(端唄)がすんだら 都々逸
 下諏訪らしい広告
   御待合開業
  今回各位の御同情により二月十八日より
  御待合並にうどん店
 開業致し親切丁寧を旨として大勉強仕候間御引立の程願上候、
  うどん/きそば[#「うどん」と「きそば」は2列に並ぶ]御待合[#地から3字上げ]入仙
[#ここから1字下げ]
〔欄外に〕君が……かりねの床
[#ここで字下げ終わり]

  ○下スワ、上スワ、チノ間の乗合自動車
  赤、緑の車体
  女車掌
   茶の外套、赤いルビーまがいの指環、出入口の段に片脚ずつかけてサッソーとのってゆく。

     往来所見

  ○毛糸の頭巾をかぶった男の子二人、活動の真似をして棒ちぎれを振廻す
  ○オートバイ
  「このハンドルの渋いの気に入らん」
  とめたまま爆発の工合を見て居る。

     女の言葉の特長

 ねーえ と引っぱって[#四分音符ミファレに「ネーヱ」の歌詞の楽譜(fig4206_02.png)入る。]というが如し

 だに
 おいでた
 だかね
 居ますんね
[#ここから1字下げ]
前へ 次へ
全25ページ中4ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング