し女性的な結晶のこまかさというようなものあり
 ○山と盆地
 ○下日部辺の一種複雑な面白い地形 然し小さし
 ○信州に入ると常磐木が多い。山迚も大きい感。常磐木があるので黒と白の配色。荘重 山と峡谷

     ○信州の女

○眼比較的大 二重瞼で、きっとしたような力あり。野性的の感
○蚕種寒心太製造

     隣室の話

 男、中年以上姉さんという女
  もっと若い女、
   芸者でもなし。品のわるい話。工女であった。
古女「こんだあ、上野公園や日比谷公園へつれてってくれないかね。」
古女「はぐれないようにして貰わなくちゃ」
○男「新宿は二十七日っきりだから、浅川だけだね、参拝するなあ」
中女「うれしいねえ」
  「だけど月経がさ」
  「フッ!」
男「いや 女は……見たような気はしないし、ちょいちょいちょいちょい――行きたくって――」
若女「車でとばしちまっただけで何が何だか分りゃしなかった、足でちっとも歩かないんだもの」
中女「宿賃いくらですってきき合わせたら、五円だって、えー五円? っていったのよ」
  「あらいやだ」
  「宿賃なんかとやかく云わないさ」
  「大きなこと云
前へ 次へ
全25ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング