になった。八九年前とは大した変化。
○ウタリー(同胞)中学校をたてたいと基金を集めて居る。
「これまではよそからしてくれな|し《ス》ても、ウタリーが目醒めて居なかったから駄目でした。けれども、これは我共の人[#「我共の人」に傍点]が自分から求めて来たのでしたから、きっとどうにかなりますよ。決して死にはしませんよ」
「この間ミス、コースという方がいらっしゃいましてね、貴女が彼等のためにいろいろ努力なすっても無駄でしょうと仰云いましたの。だから私ね、私は無駄でもやらずには居られないというと其ならおやりなさるもよいが、効はありますまいとはっきり云いなさるんで|す《し》もの、私悲しくてね、泣いたわ」
「私自分が斯うやって居るだけだって何にか役に立つと思うよ、斯うして居るからこそ現状が保てて居るのだとも思う」
ミス、何とかいうアメリカのドクトル血液検査に来た由、八重案内しろと云わる。其那こといやだというのを、バチェラーは、道庁や佐藤博士の御厄介になって居るからことわれず、八重電報で呼ばれ、かえって入るともうその人が来て居る。
目的や何か伺わないうちはいや
通弁だけはするが人が出て来るかど
前へ
次へ
全35ページ中19ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング