クトリア時代の流行《マトロン》のキャップ
○老猫のような髭
○蒼っぽい目
○指環のくいこんだ、皺のある太い節の高い指
○エプロン
○いつも編物
水色と藤紫の調和というこのみ。
“I am quite all right, so far I keep still.”
○八十一
ミス、バチェラー
○五十前後。
○やせた、鼻と顎がコーモリのように見える婦人、
○赤っぽい、波のない毛をかまわない結びようにして居る。毛糸あみの灰色の着物
○決して笑わず、形式的に一寸口をあける。
○永い会話を力のある声でせず、鼻声で不明瞭に一寸
「そう、私も出かけましょう」などという位。
不幸な old maid の典型。
八重の心持
○この人が来たので八重、家のことをちっとも仕ないでよいようになった。が、其は勿論よろこびではない。老人達が自分をたよりにしてくれないことの淋しさ。しかしいざとなれば、やっぱり彼等の世話をするのは、自分だという自信。
○健康になったので宗教の理解も明るくなり、決して人生を楽しむまいとするのが神の教ではない、と考えて来るよう
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