○○された少年
美貌、十六
入院、身体不動
看護婦さわぐ。うるさく。なめる。すいつく。
一人、自分から勝手にひどいことをする。そこへ別のが入って来、黙って見て居たが、泣き出す。すっかり泣いてからだまって出てゆく。夜中又その(元の)女が来、二三度勝手をする。
発熱。
それから、まるで女がいやでたまらず。
今二十七八、やっと女がすきになれて来たという、その心持。
雪の札幌
樹木についた雪、すぐ頭の上まで、積雪で高まった道路の為来るアカシアの裸の、小さいとげのある枝。家々の煙突。
犬の引く小さい運搬用橇
石炭をつんでゆく馬橇
女のカクマキ姿
空、晴れてもあの六七月頃の美しさなく、煙突から出る煤で曇って居る。
雪をかきわけて狭くつけた道にぞろぞろ歩く人出。
冬ごもり
○自由でない水
○石炭のすすで足袋などすぐ黒くなる部屋
○雪がつもり、窓をふさいだ家の裏側
○まるで花のない部屋
老ミセス、バチェラー
○大きい猫目石のブローチ
○網レースに、赤くエナメルした小さい小鳥のブローチや花などをところどころにつけたビ
前へ
次へ
全35ページ中17ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング