られる。私のところへ来る少女団や少年団の子供もよく覚える。たった三箇条。
講釈師大谷内越山の訛
金色夜叉
「昔《むかす》の間貫一は死《すん》ですもうとる」
小酒井博士 ひどい肺病
妻君
かげで女中をしかりつけ、夫のところへ来ると、まるでわざとらしい微笑をはなさず。
夫 下手、
手伝の若い女の自惚
夢(Yの)
父が子供につき落されて、川(庭に引き入れた)に落つ。――勝太郎が庭木戸から入って来たら、他の子供たちがついて来たので、
「そんなところから来ちゃいけない」
と云うと、中の一人がついたらしい。
Y、あわてて、助けだしたら、まがうかたなきブリの切身になって居る。人工呼吸は、どうやるのだか分らないが、多分よく揉めばよいのだろうと、両手でもむ。
「しかし、切身じゃあ人工呼吸もきかないかもしれないな」
切身にだんだん弾力がついて来る。いつか元の父になり
「人工呼吸は利いてきたが、とても生きられない、もう死ぬ」
Y、大きな声で
「遺言! 遺言!」
「今度買った地面は皆で二十七円だ。阿母さんのものにするつもりだ、あとは皆書つけにしてある
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