から」
Y、母の土地が、そんなにやすくては憤るだろうと思う。やがて父死ぬ。お父さーんお父さーんと泣く。
自分の夢
坂をのぼった西洋風の上り口(コウヅか)多勢の一隊、自分、母、他の小さい人など、夜、くらくて足元のわからない、向うから汽車の来るのもよくわからないようなところを(停車場の構内)を横切って家にかえる。あとから来る筈のK、父上その他不明なかなか来ず。心配して待って居る。誰か轢かれたのではあるまいかと。
果して、一人の男来。自分、母入口に立って居、はっと思い、母にきかせず、私に云え何かあったのかときく。男合点をする。囁きで
「誰、しかれた?」
「Kさん」
「!」
自分体ギンとなる程の愕きと悲しみを感じた。
「助る?」
「こなごなです!」
Kについて、これまで見たのもアクシデンシャルな死であった。いやな心持なり。
もう一つ
どこだか判らず。何だか分らず
Aが、私にボムをなげつける、それが、黄色と赤の平たく丸い、菊の花のようなの。両手にもって電柱のところに居る。
ああぶつけられると思うがにげられず、なげたの、うまく体にはあたらず、破裂した一部
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