一九二九年一月――二月
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)三和土《たたき》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)この毛布二十四|留《ルーブル》したんだって
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]
*:空白 底本で「空白」としている箇所
(例)*月号第○頁
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二月
日曜、二十日
朝のうち、婦人公論新年号、新聞の切りぬきなどをよんだ。東京に於る、始めての陪審裁判の記事非常に興味あり。同時に陪審員裁判長の応答、その他一種の好意を感じた。紋付に赤靴ばきの陪審員の正直な熱心さが感じられる 例えばこんな質問のうちに。
マッチから指紋をとろうとしなかったか 指紋をとることを思いつかなかったか
又煙はどっちへ流れたか
素人らしき熱心さ、若々しさ。これはよい心持だ。
○新恋愛探訪
颯爽として生活力的な恋愛一つもなし。
三つの記事 各々に対する記者の態度が反射して居て面白い。[#この行
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