一九四六年の文壇
――新日本文学会における一般報告――
宮本百合子
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)慙愧《ざんき》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)自己|剔抉《てっけつ》ということも
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「革+(韜−韋)」、第4水準2−92−8]晦《とうかい》
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序
昨年十月から今年の十月まで一年が経ちました。その間にはずいぶんいろいろのことがございました。昨年の八月以後、私どもが新しい人間性の確立と民主的な社会生活の確立、それに応じた文学の方向の確立とを求めて動きだした当時から今日までの経過の中には、はじめのころ私どもの、単純かもしれなかったけれども初々しい希望に満ちた心持が、さまざまの関係のうちに変化をうけてきてもいるわけです。一般情勢の変化といわれるわけですが、その移り変りのうちにも一年のはじめの四分の一、つまり一月から三月くらいまでと、それから今日にいたるまでの間には非常に変化
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