れなければならないが、やっぱり、文学の世界の住人以外の人に、これだけでは、不十分です。やっぱり、基本的諸問題の解明がなくては、派生する論議はわからないし、民主主義文学運動自体を推進させるために、社会主義的リアリズムは、民主主義文学建設の過程でどう理解されるべきかということが明瞭にされる必要があると思います。これが新日本文学会への宿題の一つではないでしょうか。

 新日本文学会の東京支部は、「東京の一日」というルポルタージュ文学を動員しました。ここへは非常に広汎な作家が参加し、一冊の本としてまとめられました。その成果についても、いずれまじめな文学的検討がされるでしょう。また、新日本文学作品コンクールが行われ、その選が行われています。どんな作品と作家とが登場するでしょうか。いろいろの意味で期待されます。ほんとうに新しい、若々しい、柔軟なこころをもってかかれた作品が出たらうれしいと思います。
 日本における民主主義文学運動の過程はけっして平坦でありえないし、まして、会そのものと各会員の経済事情が逼迫していて、どうしても文学運動としての密度が分散させられがちです。各人の文学上の活動が既成ジャー
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