それがいかほど自分の愛している者達の上にでも肯定しなければならない力を感じる。
生の光栄のため、我々お互同志の深い愛のために、死は決して否定されないのを思うとき、ただ心臓が鼓動し、呼吸が通っているのみで、彼は生きているという一人の者の上に、私は生よりも死を選ぼうとする自分の心を思うとき、そこには僅かの感傷的空想も、甘えた涙も許されない。
精神的にも肉体的にも生きる可能の乏しい者として死ななければならない彼のいることも、その死をいかほどか歎くだろう父母のあることも、皆、ごまかすことも、逃げ出すこともできない事実である。
人間らしい辛抱強さと、勇気と愛とをもってジイッと持ち堪《こた》え、突き進んで行かなければならない現実の一事件である。
彼に死なれるのは辛い。悲しい。
けれども、今の自分は、もう三年前に五つの妹を失ったとき歎いたように、「悲しめる心」のうちにとじ籠って、かなり自分の悲しみに甘えながら歌を書いてはいられない。
彼女の生命である「我が子等」の一人を失おうとする悲しみに、どうかして取り戻したいという盲目的な有難い「おかあさまの愛」に、殆ど夢中になっている母を見ても、ど
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