てかけながらとぎれとぎれに高い声で云う。
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ペーン もう何も云わない、もう何もしない! かけるのをやめてお呉れ、どうぞシリンクス! 美くしい……、アア――
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ペーンも追いながら叫ぶ。
シリンクスの速力はだんだんにぶくなって、
恥かしいんでございますワ。
と叫ぶ声も細くなる。も一寸でペーンがおいつく様になる。小川の岸に来てしまった。
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精女 恥かしいんでございますワ!
ペーン シリンクス、美くしい!
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精女は水煙をたてて川に飛び込む。小さな泡が二つ葦の根にうく。
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ペーン オオオ、シリンクス、お前は!
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しぼる様な細い声で云う。まわりの葦にひびいて夢の歎きの様な好い音を出す。ペーンはそれをジッとききながら、
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ペーン アア、あの響が……シリンクス
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