ペンクラブのパリ大会
――議題の抜粋についての感想――
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)横《よこたわ》る

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)モスク※[#濁点付き片仮名「ワ」、1−7−82]
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 六月下旬にパリで四日間に亙って開催された国際ペンクラブの第十五回大会に、有島生馬氏や井上勇氏、久米正雄氏などが出席したことが新聞に出ている。その議事日程の中、委員付託による四つの問題の検討がされている。(A)世界文学に今日のスタイルというべきものが存するか。(B)翻訳以外に如何なる方法で文化の世界化を援助すべきや、特に如何にして各国間における批評の交換を計りまた国際批評の組織をはかるべきか。(C)今日及び明日の文学における集団の発言方法及びその可能性について。(D)現代世界における詩の将来(現実社会状勢中における詩の位置。)
 どの課題も十分研究されるべき性質をもつものであるけれども、特別(B)(C)(D)とについては、散漫ながら誰の心の裡に
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