での搾取労働、奴隷のような労働と、ソヴェト政権のもとで社会主義の方法で組織された労働との違いは、骨肉にしみてわからずにはいられない。
 そのねうちがわかれば、どんなに古風なロシアの年とった女でも、自分たちのソヴェトを支持しないではいられない。支持しようとすれば、どうしたって革命的な連中と会ってよく話をききたいし、あっちこっちの事実を知りたい気になる。妙な間違ったことを本気にしている連中には、ちゃんと教えてやりたい。その時まともに字も書けず、本もよめず、理屈のたったことも云えないというのは、この上なく不自由なことだ。
 婦人労働者だって、農村婦人だって、今はソヴェト役員にも選ばれるのだ。党に属さない大衆からよけいソヴェト役員は選ばれている。
 工場学校。労働クラブのいろいろな研究サークル。文盲撲滅の講習会。各大学・専門学校の労働科。それらのどこへ行っても熱心に学ぶ女たちの姿の見えない文化施設はソヴェト同盟のどこへ行ってもないようになった。
 国内戦、饑饉、チブスの中から、不屈な革命的大衆の力でソヴェト同盟の新文化がモリモリせりあがって来たのだ。この時代、ソヴェト同盟の勤労大衆に、異常な関
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