支出し、ブローホフ村の医者を七日に一遍ずつまねくこと。
一、保母二人。候補者、後家マルーシャ、青年共産主義同盟員ニーナ。
一、各集団農場員は、托児所へよこす子供持ちと否とにかかわらず、最小限枕一箇、敷布一枚を、托児所のために持ちよること。
一、托児所へ子供をあずける集団農場員は、出来るだけその子供がこれまで使用していたもの、例えば揺籠、箱、寝台などをつけてよこすこと。
一、組織された集団農場托児所の経営は、集団農場衛生委員会が経済的責任を負う。
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パチ、パチ、パチ。
――採決する。――以上の条件で托児所設立に賛成なもの、手をあげてくれ!
ピムキンが、自身手を高くあげながら、くるりと振りかえって立ち上り、聴衆の方を見た。みんないやな気がした。――が、何心なく手をあげていたアグーシャは、急にまごついた顔して、わきに腰かけてる亭主を肱でつついた。
――採決だと――
――……
――どうして手あげね。
――……
グレゴリーは頑固に黙りこんで伏目になり、腕組した片手で髯をひっぱっている。アグーシャが、途方にくれた顔でひとり手をあげて
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