ずれも社会の下積になっていればいるほど、ますます高い目で社会を判断するのであった。世に認められぬ人間は、自分の地位の卑しいことの憂さはらしに自分の見解の高さをほこるものである。
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×しかし自分が、高さによじのぼる機会に手をかけるや、この高き見解はぐらつきはじめる。成功の誘惑はよりつよい。そして、方法をえらばず、才のかぎりをつくして、手にさわったよじのぼりを完成しようとする。そして方法について完成された成功そのものについて、「高き目」の判断を閉じてしまう。
[#地から5字上げ]がの公の場合
[#ここで字下げ終わり]
「妻死なず」へのプロテスト――農村と都会の分裂の悲劇[#この行はゴシック体]
田舎の生活でまだその翼を切られていなかった若い白鳥たち
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×田舎の生活の中における極少数の知識ある女性の苦痛
×半知識女性の悲しい滑稽
×抵抗と適当な試煉のないために病的に羽ばたき――決して体をもち上げることのない――ばかりひどくなって 空想は空想をうみ 細君は乱行をするにいたる過程
○汽車の中でのり合わせた軍人――音楽をやる
○小学校教員
○ア
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