ブノーマルな崇拝
[#ここで字下げ終わり]
○相手がない ということは田舎での最も不都合な点である。
◎マダム・ボバリーのテーマは本質的にどこにあるか?
○作家がその作品の中に自分自身を讚歎するように
[#ここから2字下げ]
×女性的なずるい依存的亭主は女房を讚歎する
×或は田舎にいて 自分を表現し得ない女が、一人の他人を賛美することで 自分の夢をはぐくむ。
[#ここで字下げ終わり]
○その女が麦死なずをよむ そして悲しみいきどおりを感じる。
○家のあととりのために、早く十六七で結婚させられた女の二つのタイプ
[#ここから2字下げ]
※[#丸A大文字、613−18]いつも自分の生活は 自分のものでないという反抗心をもっている
[#ここから3字下げ]
○自分のあるかないか分らない才能の萎靡を誇張して考えている
○良人の現実的な関心に対して精神を主張する
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから2字下げ]
※[#丸B大文字、614−2]梅子の場合、変に甘え 自分をすて エロティックで 子供がうめない。そんなことも早い結婚に結びつけ、エロティックな甘えになる。
[#ここから3字下げ]
○そして男同胞の love affair などに加担する、ぜいたくする、ゴタゴタの花をいけたりする、横坐りになって べたっとして横目つかう。
[#ここで字下げ終わり]
○われわれ人間の滑稽さというものは、その大部分は美わしい感情や善徳や長所が極端におしすすめられたものである。p.53
自尊心が――小事にこだわる 片意地となり 熱心が――滑稽な誇張となる
◎情熱もまたこれを適当に動かす余地がないので段々規模が小さくなり、微細なものを拡大視するにすぎなくなる。
○何事にでも夫人は ときめき立ち 気を失い 感動した
○女というものは出口のない単調で面白くもない生活には絶望を感じて衝動にかり立てられ、狂乱に身をゆだねるのである。
p.308「君の行為に美徳を入れ きみの思想に悪を入れたまえ。いい事を考えて、悪い振舞いをしないで」
これは何とすべての弱い人間への金言だろう。
第二巻
p.273 或る場合においては費用において訴訟の目的を超過する事を、代訟人に対して禁止する如き一寸した法律を急いで拵えるべきではなかろうか
裁判所の隠語
「或る人の商売に火をつける」
「幻
前へ
次へ
全4ページ中2ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング