あらゆる明るい部屋部屋にゴルロフカの炭坑労働者の男女の姿がある。どの廊下にも愉快そうに働いているゴルロフカの連中がいる。
「労働宮」は三百万ルーブル(円)で建てられた。その当時ソヴェト同盟の石炭総生産は世界第六位でありドン・バス炭坑区はその大部分を生産していた。
来る十一月七日革命第十五周年記念日こそ世界の全勤労階級のよろこびと新たな決意の日だ。ソヴェト同盟のプロレタリア・農民は第一次五ヵ年計画を達成し、社会主義社会建設への勝利と可能とを身をもって示した。ソヴェト同盟の全生産はヨーロッパ戦争前(一九一三年)の二倍に高まった。ソヴェト同盟は世界第二位の生産と国民所得をもつ国となった。労働時間は八時間から七時間になった。失業は根絶され、労働者の平均賃銀は二倍強に上っている。ひきつづいて一九三七年までに行われる第二次五ヵ年計画で、ソヴェト同盟の労働者農民は更に社会主義の社会を完全なものとし、この世界に階級のない社会を建設しようとしている。ゴルロフカ炭坑区「労働宮」のラジオ拡声機をとおしてこの日モスクワの「赤い広場」から叫ばれるスターリンの激励演説とそれに応える数百万の勤労者の歓呼の声が
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