げ]
 ドストイェフスキーの人物が現実の生活と全く関係がない ということにはこの作家の性格以上の理由があるのだ。根はふかい。
 アンドレーエフのシムボリズム アナテマ
 ロシア文学における宇宙的力や生存感 自我と生
 この渾沌からロマンティックに羽ばたいて出たゴーリキイ、
[#ここで字下げ終わり]

○十九世紀の世界文学は自我の問題の文学であるが、その中におけるロシア文学とドストイェフスキーの自我の課題=トルストイその他の問題、
 グレコの絵との連想[#「グレコの絵との連想」に枠囲み]
○我苦しむ。ゆえに我あり p.188
 そしてこの「我あり」こそドストイェフスキーと彼の人物においては生の最高の凱歌である。
○自己誕生の神秘 p.190
○ドストイェフスキーの芸術は常に中心点を狙い、従って心理学における人間中の人間、つまりあらゆる文化の階層の背後に遠く横わっている絶対的で抽象的な、人間を狙っていることを忘れてはならない。p.191
○彼らは自己を知らぬが故に 尠くとも己を証明しようと試るのである。
○彼らは自己の何ものなるかを悟ろうとし、それ故に限界を求める、自我の最極点を、何よりも
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