自我の分裂した未解決の人間である限りにおいてのみ主人公として芸術化される価値をもつ。
バルザックの人物との対比
バルザックの人物は 要素であり、要素的なもののあらゆる本質的な特徴を有し、従って、倫理的なものと心理的なものとの反応の典型的な形式である。(これはよく見られている、そして、私たちの時代の人間がバルザックのきらいな一つの理由はここにもある、近代人は、バルザックの描く形式において倫理と心理との単純な反応に固定しきらないのであるから。ポンス ゴリオ その他 バルザックのメロドラマ性、非リアリティー)
○彼らは殆ど人間ではなく、むしろ人間化された特質、一つの情熱の精密機械である、p.172
バルザックにあっては 人物の名に相関概念としての特質をかける。すなわちラスティニィアクは吝嗇に ゴリオは犠牲に、ヴォートランは無政府に。
食うか、くわれるか=バルザック[#「バルザック」に「ドイツには手段」の注記]には金、権力、称号が目的、
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フランス
○ドイツ の全作品の主人公のタイプ 天才のタイプ
発展小説 修業時代よりマイスターへ
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