ような気の入れかたで、相談はじめた。
「鋤」工場の、消費組合監督突撃隊へは、全職場総動員。――異議なし!
各部一交代から大体十人ぐらいずつ一組に分け、一ヵ月で交代すること。
当面の任務は、区の消費組合委員と協力して消費組合の内部、運輸状態、生産組合と線を辿って、生産品配給を研究、統制すること。及、突撃隊の一部は他の工場へ出かけ、そこの自発性を刺戟し、そこで消費組合監督突撃隊を組織させ、連絡をもって益々大衆的に活動すること。
消費組合加入勧誘。
壁新聞、工場新聞を、積極的にこの問題に利用すること。
旋盤第三交代からはヤーシャ、ボリス、グーロフ、アーニャ、その他が指名され、グルズスキーの名が出たとき、信吉は、なるほどナと思った。陰でブツクサ云ってるようなものは、表へ出して、働かして見ればいいんだ。知らなかったことも知るようになるんだ。ボリシェビキ教育だ。
が、アーニャが、
「私は特別に、シンキーチを、第一の組へ入れたいと思います」
とみんなの前で云ったには、面くらって、
「俺あ……」
タジタジとした。
「シンキーチは、われわれの自発性に貢献したんです。『赤いローザ』に女代議員
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