がうまく行ってねえんだ!」
「政府だって、うまく管理してるとは云えねえ」
「タワーリシチ!」
信吉は、思わず目と耳とをひったてた。オーリャだ!
「タワーリシチ。マルーシャは確にわれわれに一つのいい実例を話してくれた。けれども、われわれ〔三字伏字〕プロレタリアートはそれですぐ、今誰かが呻ったように、政府の管理がどうこうっていうことは云えないと思うんです。何故富農やその手先が、作物の活溌な流通を妨げるのか? 奴等の利益のために農村と都会の労働者との一致を妨げ、イガミ合いをさせようとしてるんです。奴等は、ソヴェトを狙う資本主義国のブルジュアどもと同じだ! 自分たちのブルジュア根性で、ソヴェト政府とソヴェト大衆との関係を考える! 食糧配給を混乱させれば、ソヴェト大衆は不平をもちはじめ、ブルジュア国で労働者が搾取者に〔二字伏字〕する通りに、自分のソヴェト権力に向って反抗するだろうと、それを待ってるんです!
五ヵ年計画を、万ガ[#「ガ」は下付き小文字]一にも投げちゃうかも知れない。そう思って待ってるんです。われわれは、奴等の期待に添うだろうか?
いいや! 絶対に※[#感嘆符二つ、1−8−75
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