ことはね。
 熱心に、輝く眼で日本女の眼を見ながら、婦人党員が、言葉に力をこめていった。
 ――われわれんところで、婦人解放が、革命を通し、改められた生産と労働との関係をとおして日常の実践のなかからおこなわれて来たことです、革命当時、どの女にとっても新しい一日は新しい一世紀みたいだった、仕事はうんとある、人が足りない、今までは引こんでいた女が場所につく、直ぐ新しい仕事に自分を馴らし、刻々推移する事情を判断し、自身いる場所の任務をはたさなければならない、女は戦線へも行ったし委員《コミサール》にもなったし市街戦のバリケードこしらえもやったんです、生と死の間で男とともにやらないことはなかった、その間に、女は今まで自身知らなかった能力を自分のうちに発見し、必要を発見し、それを整理していった。
  だから、現在われわれの持ってるどんな女のための法令一つだって実際の困難と必要との経験を徹して作られなかったものはないんですよ。
  たとえばソヴェトでは女でも十八歳から選挙権をもっている、ブルジョア国の政治家は、若すぎるという、果して若すぎるでしょうか? 資本主義生産は十三歳の幼年工を何時間働かしてい
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