主主義者連はボルシェヴィキーを自分たちと同じに考えていたんです。
  われわれのところにはレーニンがいた――
 しばらく黙った。それから婦人党員は訊いた。
 ――日本でレーニンはどのくらい知られています?
 ――どの位って……知らない者より知ってる者の数が多い、そして知ってる者はおのおのの立場でそうあらねばならないように知っている――つまり、或るものは知って、愛している。或るものは恐怖して憎んでいるでしょう。
 日本女は、笑ってつけ加えた。
 ――そしてリベラリストは、いつもこういってるんです。レーニンは少くとも偉大な革命の指導者だった。しかし、日本にはまだレーニンがいないからね。
 婦人党員は愉快そうに、よく揃った歯なみを見せて笑った。
 ――ボルシェヴィキーが十月革命のとき、全国の積極的な革命的プロレタリアートによってどんなに支持されていたか、どんなにボルシェヴィキーはプロレタリアート自身の党であるか、ブルジョア社会民主主義者は理解しなかったんです、ロシアのプロレタリアートは「十月」までに「一九〇五年」を経験しているんですからね、男も女も自分の血のねうちは知っている。
 ――大事な
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